# 横浜市会 令和7年第1回定例会 閉会日 ニュース
横浜市会 (横浜市の議会の正式名称) の令和7年第1回定例会の閉会日が、2025年3月25日に開かれました。最大の焦点は令和7年度一般会計予算 (市第88号議案) で、附帯意見 (議決時に議会が示す条件・要望) を付して賛成78・反対7で可決されました。日本共産党と無所属の井上さくら議員が反対に回り、自民・公明・国民民主・民主フォーラム・日本維新の会等は附帯意見付きで賛成に回っています。GREEN×EXPO 2027の会場建設費97億円増額、敬老パスの3年間無償化拡大、中学校給食のデリバリー方式が主な争点となりました。
令和7年度一般会計予算 賛否分かれ 78対7で可決
山中市長就任以降4回目の予算編成・任期最終年 (1期目最終) で、市税収入は過去最大となりました。一方で物価高騰下の市民生活、GREEN×EXPO 2027建設費の追加負担、中学校給食のデリバリー方式 (民間業者が温かい弁当形態で配送) の本格実施が複合的に問われています。
自由民主党の伏見幸枝議員は附帯意見を付して賛成し、大規模地震から市民・事業者の生命と財産を守ることが基礎自治体の最大の使命と防災を強調しました。一方、日本共産党を代表した宇佐美さやか議員は反対の立場で、関内駅前の再開発について「市街地開発事業費会計では、別のディベロッパーが隣接して約1000億円を投じ2棟のタワービルを建設する再開発が予定され、ここには本市が217億円を補助するとしています。」と数字を示し、「約200億円の公金を投入する公共性はないと考えます。」と問題視しました。
押しボタンによる記名投票の結果、総数85・賛成78・反対7で附帯意見を付して原案可決となっています。日本共産党と無所属の井上さくら議員が反対しました。
令和7年度から、避難所への空調設備整備加速、災害用トイレ充実、補聴器購入補助、帯状疱疹ワクチン定期接種化 (65歳対象・半額自己負担)、3歳児健診への屈折検査モデル導入、ワゴン型バス等の地域交通拡充 (5年で50地域53地区) が始まります。中学校給食は2026年度から全員制 (デリバリー方式) へ移行します。
GREEN×EXPO 2027 建設費97億円増額の見通し
横浜市が共催する2027年国際園芸博覧会 (GREEN×EXPO) の会場建設費が、物価高騰等を理由に当初320億円から最大417億円へ膨らむ見通しが博覧会協会から示されました。市負担増額分は28億円で、合計111億2,000万円となります。複数会派が懸念を表明しています。
民主フォーラム横浜市会議員団の二井くみよ議員は附帯意見付き賛成の立場で、「ここに来て建設費が97億円余り増額されることに対し不安や懸念の声も上がっており、市民がきちんと納得できるよう準備や運営を丁寧に進めていくことは必要不可欠です。」と述べました。反対した無所属の井上さくら議員は、企業版ふるさと納税 (企業が自治体に寄附すると法人税が控除される制度) を使った民間負担スキームについて「建設費の3分の1は民間負担ですというのは形だけであって、その実、実際は8割は国税や他の自治体に入るはずの税金で穴埋めしているということです。」と批判しました。
予算案の一部として一括採決されたため、GREEN×EXPO単独の採決は行われていません。反対会派からは、有料入場者1,000万人目標の見直し、上瀬谷の樹木伐採規模の精査、企業版ふるさと納税スキームの透明化が要望されました。
来年度以降の市予算に建設費増額が反映され、市民負担に影響する見込みです。会場予定地の上瀬谷では引き続き樹木伐採と区画整理が進みます。博覧会協会と市の役割分担、出展国数 (現時点30か国、目標70か国)、輸送計画の確定が今後の論点に位置づけられています。
敬老パス 免許返納者3年無償化 137億円
敬老特別乗車証 (敬老パス) について、75歳以上の運転免許返納者を対象に3年間の無償化が新規盛り込まれ、令和7年度の事業費は前年度比約7億円増の137億円となる見通しです。市費負担は既に100億円超で、持続可能性が会派横断の論点となりました。
森ひろたか議員は附帯意見付き賛成の立場で、「横浜市将来人口推計によれば、令和7年の75歳以上の人口は約59万人、ピークを迎える30年後には1.37倍の80万人超えとなります。」と数字を示し、公平性の観点から利用者負担の見直しや利用上限なども視野に入れ、持続可能な制度となるよう検討を要望しました。一方、日本共産党を代表した宇佐美さやか議員は、本市が他都市と異なり制度後退を回避し前進させたことを評価し、現制度のさらなる充実を求めています。
一般会計予算の一部として可決されました。附帯意見では、市・交通事業者・利用者の3者による公平かつ適正な負担、利用者の安全性を重視した検討が明記されました。
75歳以上の運転免許返納者は3年間無料で敬老パスを利用できます。ワゴン型バス等の地域交通への適用も拡大される見通しです。中長期的には利用者負担増の制度見直しが検討課題となります。市は附帯意見を踏まえた制度設計の検討を進めますが、具体的な見直し時期は未定です。
請願 訪問介護報酬引上げ意見書も不採択
市民・団体から提出された請願のうち、訪問介護の基本報酬引上げを国に求める意見書 (請願第20号) が本会議で討論されました。
日本共産党の大和田あきお議員は採択を求める立場で、訪問介護について「現在ヘルパーの賃金は常勤で全産業平均より月7万円低く、有効求人倍率十数倍の人手不足です。」と現状を示し、「在宅介護の基盤を存続させるため、訪問介護の基本報酬をはじめとした介護報酬の引上げを国に求める請願の採択を求めます。」と訴えました。他会派からの賛成討論は本会議では行われませんでした。
押しボタンによる記名投票の結果、請願第20号は不採択と決まりました。投票内訳は、委員長報告 (不採択) に賛成77・反対8で、請願自体に賛成 (=委員長報告の不採択に反対) したのは8票です。訪問介護事業所の経営難・ヘルパー人手不足については、引き続き国・市の制度運用の中で対応されることになります。不採択となったため、市議会としての意見書提出は行われません。