# 旭川市議会 令和7年 第3回定例会 閉会日 まとめ
10月23日に開かれた旭川市議会の閉会日では、令和6年度の各会計決算11件の認定が採決され、一般会計と水道・下水道事業会計の3件が起立採決の賛成多数で認定されました。反対した日本共産党は、初のPFI事業 (民間資金を活用した公共施設整備) である高台小学校の維持管理費が同規模校の約6倍にあたる年間1,864万円余りだったことや、花咲スポーツ公園の新アリーナ整備で市が建物を所有しない「非保有方式」(市が建物を所有せず民間事業者が保有する事業手法) が選ばれたことを問題視しています。意見書案9件のうち5件は賛成少数で否決され、外国人を差別する排外主義に反対する1件は賛成多数で可決されました。
高台小PFIと新アリーナ 決算3件に共産党反対
論点となったのは、令和6年度一般会計決算 (認定第1号) と水道・下水道事業会計決算 (認定第9号・第10号) です。決算審査特別委員会の杉山允孝委員長は本会議で報告し、認定第1号の一般会計決算と水道・下水道事業会計決算は起立多数で、残る8件は全会一致で認定すべきものと決定したと報告しています。
反対討論に立ったまじま隆英議員は、市内1校目のPFI事業として整備された高台小学校の維持費を問題にしました。「高台小学校の維持管理費は、年間1千864万円余りです。」と数字を示し、同程度の規模の小学校の維持管理費は年間約300万円で6倍以上に達するとして、PFIのメリットが特に認められなかったとする市の総括報告書を引いています。
花咲スポーツ公園の新アリーナ整備については、市が建物を所有しない「非保有方式」を選んだ判断を批判しました。「市が保有していなくても、民間事業者が事業破綻した場合、市が引き取るリスク、古くなって民間が放り出してから市が修繕費用を莫大にかけるリスクがありながら、市はリスク対策の試算を行わず非保有と決定したのは、市民負担よりも民間の利益を優先するものと言わざるを得ません。」と述べました。
採決は分割で行われ、福居秀雄議長は電子表決の結果について「賛成多数であります。」と宣告し、3件はいずれも委員長報告のとおり認定されています。残る8件は異議なしで認定されました。
決算は前年度の市政運営を議会として確認する手続きで、賛否の理由は次年度以降の予算編成や事業手法の検討に影響します。新アリーナ整備の事業手法は事業者選定段階に入っており、PFIと非保有方式のどちらに落ち着くかは今後の市の公表資料で確認することになります。
教育委員会委員に鎌本かおり氏を任命同意
近藤美保氏の任期満了 (11月9日) に伴う後任として、今津寛介市長から鎌本かおり氏の任命同意を求める議案第19号が提出されました。今津市長は「鎌本氏は、教育に関し、豊かな識見を有されており、かつ、人格も高潔な方であることから、本市の教育委員会委員として適任であると考えますので、何とぞ同氏の任命につきまして御賛同賜りますようお願い申し上げます。」と述べ、本案は異議なしで同意されました。鎌本氏は、旭川市PTA連合会副会長・北海道PTA連合会副会長を務めています。教育委員会は学校の運営方針や教育施策の方向を定める機関で、新委員の任期は11月10日以降となる見通しです。
OTC類似薬の保険適用継続を求める意見書は否決
子育て世帯の薬代に直結する争点として注目された意見書案第3号 (提出者: まじま隆英議員ほか4名) は、賛成少数で否決されました。提案理由でまじま議員は「これまで助成制度の対象になっていた処方薬が、OTC類似薬が保険適用から除外となることによって、市販薬を購入せざるを得ないようになれば、子育て世帯にとって大幅な負担増につながる。」と述べ、保険適用継続を国に求めるよう訴えました。否決により、旭川市議会としての意見書送付は行われません。市販薬類似の処方薬を保険適用外とする見直しは国の「経済財政運営と改革の基本方針2025」に盛り込まれており、適用範囲や時期は今後の国の制度設計次第です。
老齢基礎年金引上げ意見書も賛成少数で否決
意見書案第5号 (提出者: 石川厚子議員ほか4名) は老齢基礎年金等の引上げを国に求めるもので、こちらも賛成少数で否決されました。石川議員は2024年度の年金改定について、年金額の改定率を物価変動率が3.2ポイント上回り、実質0.5%の減となった点を指摘しました。否決により、市議会としての意見送付は行いません。年金額は国の制度で決まるため、今後の見直しは厚生労働省と社会保障審議会の議論を見ることになります。
排外主義に反対する意見書は可決
意見書案第6号 (提出者: 中村みなこ議員ほか4名)「外国人を差別する排外主義を許さず、多文化共生社会の実現を目指す意見書」は、電子表決の結果、賛成多数で可決されました。在留外国人約377万人・外国人労働者約230万人という現状や、全国知事会が7月の会議で採択した「青森宣言」を踏まえ、多文化共生事業の充実と排外主義への反対の意思表明を国に要望する内容です。可決された意見書は議長名で国の関係機関に送付されます。
その他の処理事項
- 意見書案第7号 (国土強靭化に資する社会資本整備等) — 異議なし可決。道路整備、除排雪、橋りょう・トンネル老朽化対策、治水など9項目の予算確保を国に要望
- 意見書案第8号 (リハビリ専門職の確保・処遇改善) — 異議なし可決。給与引上げ措置の確実な実施を要望
- 意見書案第9号 (ゼロカーボン北海道に資する森林・林業・木材産業施策) — 異議なし可決。植林・間伐・木質バイオマス促進などを要望
- 議案第20号 (議員の派遣) — 異議なし可決
- 報告6件 (健全化判断比率、資金不足比率、専決処分4件) — 質疑の通告なし、報告で終了
- 請願・陳情 — 陳情第21号は総務常任委員会へ付託、陳情第19号は提出者から取下げ、その他は閉会中の継続審査へ
結び
閉会日は意見書案9件中5件で会派の立場が分かれ、賛否分裂が目立つ構成となりました。福居秀雄議長は付議案件の全てが終了したと述べた上で、「第3回定例会は、これをもって閉会いたします。」と宣言し、午前11時8分に閉会しました。次回定例会の日程はこの議事録には記録がないため、旭川市議会の公式日程ページで確認できます。各議案の発言全文や採決の詳細は、本記事末尾の議事録検索リンクから原典をたどれます。